資産管理
管理の対象となる資産に、シラバスはどんな限定を置いているか。
「サービスを提供するために使用されている資産」である。
資産一般ではない。 2 段の限定が付いている。
- サービスを提供するために(用途)
- 使用されている(現在形。使われていないものは含まれない読み方になる)
ただし、シラバスが「使用されていない資産は対象外である」と明記しているわけではない。 限定が置かれているという事実までを押さえる。
資産を管理する目的として、シラバスは何を挙げているか。
2 つである。
サービスマネジメントシステムの計画における要求事項及び義務を満たすため
- 要求事項
- 義務
どちらも「サービスマネジメントシステムの計画における」ものである。 「義務」が何を指すかは書かれていない。
この細目の略称のうち、展開が付いているものと付いていないものはどれか。
ITAM には付き、SAM には付いていない。
| 用語例 | 括弧の中身 |
|---|---|
| 資産管理(ITアセットマネジメント(ITAM:IT asset management)) | 英語のつづりあり |
| ソフトウェアアセットマネジメント(SAM) | 無し |
同じ細目のなかで扱いが揃っていない。 シラバスが展開していない SAM を、このノートで補うことはしない。
シラバスはサービスマネジメントシステムの計画における要求事項及び義務を満たすため、サービスを提供するために使用されている資産を確実に管理することを理解するとしている。管理の対象は資産一般ではなく「サービスを提供するために使用されている資産」に限られ、目的として要求事項と義務の 2 つが挙げられている。用語例は 4 語で、1 語目の資産管理には ITアセットマネジメント(ITAM:IT asset management)という二重の入れ子括弧が付く。一方でソフトウェアアセットマネジメント(SAM)の SAM には展開が無く、同じ細目のなかで略称の扱いが揃っていない。
説明文の組み立て
| 位置 | 逐語 |
|---|---|
| 目的 | サービスマネジメントシステムの計画における要求事項及び義務を満たすため |
| 対象 | サービスを提供するために使用されている資産 |
| 行い | 確実に管理する |
この表はシラバスの一文を位置ごとに切り出したものであり、 シラバスがこの 3 つの見出しを立てているわけではない。 行いに「確実に」という副詞が付いている。
用語例 4 つ(シラバスの並び順のまま)
| 順 | 用語例 | 括弧の中身 | 略称の展開 |
|---|---|---|---|
| 1 | 資産管理 | ITアセットマネジメント(ITAM:IT asset management) | 有り |
| 2 | ソフトウェアアセットマネジメント | SAM | 無し |
| 3 | ライセンスマネジメント | 無し | — |
| 4 | JIS X 0164シリーズ | 無し(規格名称なし) | — |
この表の「順」はシラバスの並び順であって、重要度でも扱う順でもない。 1 つ目の括弧は二重に入れ子になっている。 同じ細目のなかで、ITAM には展開が付き SAM には付かない。 3・4 には括弧も説明も付いていない。
この細目でのシラバスの書き方
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 説明文 | 一文 |
| 列挙に付くラベル | 用語例 |
| 用語例の数 | 4 |
| 末尾 | 「など」は付かない |
シラバスが書いていること
Section titled “シラバスが書いていること”説明文は一文である。
サービスマネジメントシステムの計画における要求事項及び義務を満たすため,サービスを 提供するために使用されている資産を確実に管理することを理解する。
続けて 4 つが列挙されている。
用語例 資産管理(ITアセットマネジメント(ITAM:IT asset management)), ソフトウェアアセットマネジメント(SAM),ライセンスマネジメント,JIS X 0164シリーズ
目的は「要求事項及び義務」
Section titled “目的は「要求事項及び義務」”説明文の頭は「サービスマネジメントシステムの計画における要求事項及び義務を満たすため」である。
| 順 | 目的 |
|---|---|
| 1 | 要求事項 |
| 2 | 義務 |
この表の「順」は説明文に現れる順であって、重要度ではない。
どちらも「サービスマネジメントシステムの計画における」ものと修飾されている。
「義務」が何を指すか、法令上のものか契約上のものかは、シラバスに書かれていない。 「要求事項」と「義務」がどう違うかも書かれていない。
なお、同じ中分類の 1.(2)には「組織に対する要求事項」、2.(2)には「サービスの要求事項」という別の語がある。 この細目の「サービスマネジメントシステムの計画における要求事項」がそれらと 同じものかどうかは、シラバスに書かれていない。
対象の資産に置かれた限定
Section titled “対象の資産に置かれた限定”管理の対象は「サービスを提供するために使用されている資産」である。
資産一般ではない。 限定が 2 段に置かれている。
- 用途 — サービスを提供するために
- 状態 — 使用されている
シラバスが「これ以外の資産は対象外である」と明記しているわけではない。 限定が置かれているという事実までを押さえる。
行いは「確実に管理する」
Section titled “行いは「確実に管理する」”「確実に」という副詞が付いている。
何をもって「確実」とするかは、シラバスに書かれていない。
1 つ目の括弧は二重の入れ子
Section titled “1 つ目の括弧は二重の入れ子”用語例の 1 つ目は、括弧が二重に入れ子になっている。
資産管理(ITアセットマネジメント(ITAM:IT asset management))
- 外側の括弧 — ITアセットマネジメント(「資産管理」の直後に置かれた語)
- 内側の括弧 — ITAM:IT asset management(略称と英語のつづり)
内側は「略称:英語のつづり」の形である。
「資産管理」と「ITアセットマネジメント」が同じものだと明記されているわけではない。 括弧で並んでいる、というところまでである。
同じ中分類の 2.(5)構成管理 の用語例にも二重の入れ子括弧がある (「文書化された構成情報(例:構成管理データベース(CMDB))」)。 ただし、そちらの外側の括弧は「例:」で始まる形で、この細目とは違う。 両者の括弧が同じ働きをしているかどうかは、シラバスに書かれていない。
ITAM には展開があり SAM には無い
Section titled “ITAM には展開があり SAM には無い”| 用語例 | 略称 | 英語のつづり |
|---|---|---|
| ITアセットマネジメント | ITAM | IT asset management |
| ソフトウェアアセットマネジメント | SAM | 無し |
同じ細目のなかで、略称の扱いが揃っていない。
シラバスが展開していない SAM を、このノートで補うことはしない。
この 29 細目には、展開の付かない略称がほかにもある — 1.(4)の SLO・SLI、2.(1)の PDCA、2.(5)の CI・CMDB、2.(8)の SaaS・PaaS・IaaS、2.(11)の CPU(管理指標の括弧の中)、2.(12)② の RFC、2.(12)③ の CAB・PIR、2.(18)の MTBF・MTTR・MTBSI・MTRS。
3 つ目と 4 つ目
Section titled “3 つ目と 4 つ目”ライセンスマネジメント(3)には括弧も説明も付いていない。 何のライセンスを扱うかは書かれていない。
JIS X 0164シリーズ(4)は規格番号だけで、規格名称も内容も書かれていない。
これは同じ中分類の 1.(2)の JIS Q 20000、2.(1)の JIS Q 9001、2.(20)の ISO/IEC 27000 シリーズ とは別の規格である。
| 細目 | 規格番号 |
|---|---|
| 1.(2) | JIS Q 20000の規格群(ISO/IEC 20000シリーズ) |
| 2.(1) | JIS Q 9001 |
| 2.(4)(この細目) | JIS X 0164シリーズ |
| 2.(20)情報セキュリティ管理 | ISO/IEC 27000 シリーズ |
4 つはそれぞれ別の細目の別の規格である。混同しない。 どの規格についても、規格名称も内容もシラバスには書かれていない。
この細目で書かないこと
Section titled “この細目で書かないこと”次はいずれもこのノートの根拠に含まれていない。
- 「資産」の定義、どんなものが資産にあたるか
- 「義務」が何を指すか、「要求事項」との違い
- ITAM・SAM・ライセンスマネジメントのそれぞれが何をすることか、3 つの関係
- SAM が何の略か(シラバスが展開していない)
- JIS X 0164シリーズの規格名称、内容、規格番号の内訳
- 資産管理と構成管理(2.(5))の違い
名前から内容を推測して書くことは spec.md §8.1a に反する。