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不正競争防止法が定める「営業秘密」の定義は、いくつの要素を並べているか。それぞれ何か。

第二条第六項が 3 つを並べている。秘密として管理されていること、生産方法、販売方法その他の事業活動に 有用な技術上又は営業上の情報であること、公然と知られていないことである。 条文はこの 3 つを一文の中に並べる形で書いている。

守秘契約を結ぶことと、その情報が「営業秘密」に当たることは、条文の上でどういう関係にあるか。

別のことである。守秘契約は当事者間の契約で、契約一般の規律として、 民法第五百二十二条第一項により申込みと承諾で成立する。 一方、不正競争防止法第二条第六項の「営業秘密」に当たるかどうかは、契約の有無ではなく 同項が挙げる 3 つの要素を満たすかで決まる。ただし 3 要素の一つが「秘密として管理されている」ことであるため、 管理の仕方は営業秘密に当たるかどうかに関わる位置にある。

守秘契約(NDA)は外部委託などで秘密情報を開示する際に締結する契約で、不正競争防止法第二条第六項が定義する「営業秘密」は、秘密として管理されていること・事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること・公然と知られていないことの 3 つを並べて定義されている。

  • 守秘契約(NDA)
    • 契約一般の規律として、契約の内容を示した申込みに対して相手方が承諾したときに成立する(民法第五百二十二条第一項)
    • 法令に特別の定めがある場合を除き、成立に書面の作成その他の方式を要しない(第五百二十二条第二項)
    • シラバスの説明文が置く場面: 自社以外の事業者に業務を委託する際に自社の秘密情報を開示する場合
  • 不正競争防止法上の「営業秘密」(第二条第六項)
    • 秘密として管理されていること
    • 事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること
      • 条文が例示するのは生産方法、販売方法
    • 公然と知られていないものであること

守秘契約(NDA)が置かれる場面

Section titled “守秘契約(NDA)が置かれる場面”

シラバスはこの細目を「自社以外の事業者に業務を委託する際に、自社の秘密情報を開示する場合、 その秘密情報を守るために NDA(Non-Disclosure Agreement:守秘契約)を締結することを理解する。」と説明している。 外部委託の場面で、委託元が委託先に秘密情報を渡すときに結ばれる契約という位置づけである。

「守秘契約」「NDA」という語は、ここで取得した条文には現れない。 契約一般の規律として、民法第五百二十二条第一項により、契約の内容を示した申込みに対して 相手方が承諾したときに成立し、 第二項により、法令に特別の定めがある場合を除き書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

不正競争防止法の「営業秘密」

Section titled “不正競争防止法の「営業秘密」”

不正競争防止法第二条第六項は「営業秘密」を、秘密として管理されている生産方法、販売方法 その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものと定義する。 一文の中に 3 つの要素が並んでおり、いずれか一つを満たせばよいという書き方にはなっていない。

3 つのうち「秘密として管理されている」という要素は、情報そのものの性質ではなく、 その情報をどう扱っているかに関わる部分である。「生産方法、販売方法」は「その他の事業活動に有用な 技術上又は営業上の情報」の例として挙げられており、この 2 つに限られる書き方にはなっていない。 3 つ目の要素は「公然と知られていない」ことである。

この 2 つは別の枠組みである。守秘契約は当事者間の合意で成立する。 一方、第二条第六項の定義は契約の有無を要素にしておらず、営業秘密に当たるかどうかは 同項が挙げる 3 つの要素を満たしているかで決まる。

不正競争防止法第一条は、この法律の目的を「事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を 確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、 もって国民経済の健全な発展に寄与すること」と述べている。

目的規定が最初に挙げているのは事業者間の公正な競争およびこれに関する国際約束の的確な実施の確保である。 第二条第六項の定義が「事業活動に有用な技術上又は営業上の情報」という限定を置いていることは、 この目的規定が事業者間の競争を対象にしていることと対応した書きぶりだと読める。 ただし、営業秘密の定義を 3 要素の形にした立法上の趣旨は、これらの条文には書かれていない。