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個人情報保護・プライバシー保護に関する手法・技法

仮名加工情報と匿名加工情報は、条文上どこで区別されているか。加工の方法か、到達すべき状態か。

到達すべき状態。第五項と第六項が各号に挙げる加工の措置は同一の文言で書かれており、 違うのは柱書の「〜できないように」の部分である。

第五項と第六項の柱書は、それぞれ何ができない状態を求めているか。

第五項(仮名加工情報)は「他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように」加工すること。 第六項(匿名加工情報)は「特定の個人を識別することができないように」加工し、かつ 「当該個人情報を復元することができないようにしたもの」であることを求める。

「個人関連情報」は何によって定義されているか。

他の 3 つに該当しないことによって定義されている。第七項は、生存する個人に関する情報であって、 個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものをいうと定める。

個人情報の保護に関する法律は加工によって得られる情報として、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないようにした仮名加工情報と、特定の個人を識別できずかつ元の個人情報を復元できないようにした匿名加工情報を定義し、加工の措置は同一の文言で書かれ、到達すべき状態だけが異なる。

第二条が定める加工の類型

語項加工の措置(各号)到達すべき状態復元の可否についての定め
仮名加工情報第 5 項記述等の一部の削除 / 個人識別符号の全部の削除他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように定めを置かない
匿名加工情報第 6 項同一の文言特定の個人を識別することができないように当該個人情報を復元することができないようにしたもの
個人関連情報第 7 項(加工の定めなし)個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のいずれにも該当しないこと—

加工の措置は 2 つで共通している

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第二条第五項(仮名加工情報)と第六項(匿名加工情報)は、どちらも元になる個人情報を第一項第一号に該当するものと 第二号に該当するものに分け、それぞれに次の措置を定めている。

  1. 第一項第一号に該当する個人情報 — 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること (当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む)
  2. 第一項第二号に該当する個人情報 — 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること (当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む)

この各号の内容は、第五項と第六項で同一の文言である。どちらも「削除」に加えて、 復元できる規則性を持たない方法での「置き換え」を含めている。

違いは柱書の求める状態にある

Section titled “違いは柱書の求める状態にある”

第五項の柱書は、上の措置を講じて「他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように」 個人情報を加工して得られる個人に関する情報を仮名加工情報とする。照合という条件が付いた形の識別不能である。

第六項の柱書は、同じ措置を講じて「特定の個人を識別することができないように」個人情報を加工して得られる 個人に関する情報であって、「当該個人情報を復元することができないようにしたもの」を匿名加工情報とする。 識別できないことに加えて、元の個人情報へ戻せないことが要求されている。

条文の構造としては、措置の側は共通で、柱書が求める到達点だけが異なることになる。

第七項は「個人関連情報」を、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報の いずれにも該当しないものと定める。他の 3 つの語が定まって初めて範囲が決まる、消去法による定義である。

第一条は、この法律の目的として「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び 豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を 保護すること」を挙げている。保護と活用の双方が目的規定に置かれている。

第二条第五項・第六項は、同一の加工の措置に対して 2 つの異なる到達点を定めている。 保護と活用の双方を掲げる第一条の書きぶりと、到達点を 2 つ置く第二条の書きぶりは同じ向きに読める。 ただし、それぞれの区分を設けた立法上の趣旨は取得した条文(第一条・第二条)には書かれておらず、 ここに述べたのは目的規定と定義の書きぶりを並べて読み取れる範囲にとどまる。