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開示を請求できるのは誰か。条文はどう書いているか。

どちらの法律も第三条が「何人も、この法律の定めるところにより」で始まる。 行政機関情報公開法は行政機関の長に対して当該行政機関の保有する行政文書の開示を、 独立行政法人等情報公開法は独立行政法人等に対して当該独立行政法人等の保有する法人文書の開示を 請求することができるとする。請求権者を国民や利害関係人に限定する書き方にはなっていない。

開示請求があったとき、行政機関の長は必ず開示しなければならないのか。

行政機関情報公開法第五条柱書は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に各号に掲げる情報 (不開示情報)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し当該行政文書を 開示しなければならないとする。 原則は開示義務で、不開示情報が記録されている場合が除かれるという形である。

情報公開の仕組みは 2 つの法律に分かれており、行政機関の保有する情報の公開に関する法律は行政文書の開示請求権を、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律は法人文書の開示請求権及び独立行政法人等の諸活動に関する情報の提供を定め、どちらも第一条が国民主権の理念にのっとることを掲げ、第三条が「何人も」開示を請求することができるとし、前者の第五条は不開示情報のいずれかが記録されている場合を除き行政機関の長に開示を義務づけている。

2 つの法律の対応

観点行政機関の保有する情報の公開に関する法律独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律
法令番号平成十一年法律第四十二号平成十三年法律第百四十号
対象となる文書行政文書法人文書
請求の相手方行政機関の長(前条第一項第四号及び第五号の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者)独立行政法人等
請求できる者何人も(第三条)何人も(第三条)
第一条の書き出し国民主権の理念にのっとり国民主権の理念にのっとり
第一条が掲げるもの説明する責務が全うされること、公正で民主的な行政の推進に資すること説明する責務が全うされること(定めるものとして開示請求権に加えて諸活動に関する情報の提供を挙げる)
開示義務の条第五条(不開示情報が記録されている場合を除き開示しなければならない)開示義務の条は根拠にしていない

シラバスの説明文は「国の行政機関,独立行政法人などに対して,誰でも行政文書や法人文書の情報公開の 開示請求ができる」と書いている。この 2 つは別々の法律が定めており、 行政文書は行政機関の保有する情報の公開に関する法律、 法人文書は独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律が扱う。 「情報公開法」はシラバスの表記であり、どちらの題名でもない。

行政機関情報公開法第一条は「国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、 行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が 全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを 目的とする」と述べる。

独立行政法人等情報公開法第一条は「国民主権の理念にのっとり、法人文書の開示を請求する権利及び 独立行政法人等の諸活動に関する情報の提供につき定めること等により、独立行政法人等の保有する情報の一層の 公開を図り、もって独立行政法人等の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにすることを 目的とする」と述べる。

共通するのは「国民主権の理念にのっとり」で始まる点と、「諸活動を国民に説明する責務が全うされるように する」ことを掲げる点である。 違いは 2 つある。行政機関情報公開法は「公正で民主的な行政の推進に資すること」まで述べているが、 独立行政法人等情報公開法の第一条にその部分はない。 また、独立行政法人等情報公開法は定めるものとして開示請求権に加えて 諸活動に関する情報の提供を挙げている。

行政機関情報公開法第三条は「何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長(前条第一項第四号及び 第五号の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者をいう。以下同じ。)に対し、 当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる」と定める。 独立行政法人等情報公開法第三条は「何人も、この法律の定めるところにより、独立行政法人等に対し、 当該独立行政法人等の保有する法人文書の開示を請求することができる」と定める。 どちらも主語が「何人も」で、国籍や利害関係による限定を第三条は置いていない。

行政機関情報公開法第五条柱書は、行政機関の長が、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に 各号に掲げる情報(不開示情報)のいずれかが記録されている場合を除き、 開示請求者に対し当該行政文書を開示しなければならないとする。 不開示情報という類型が各号に置かれていること自体はこの柱書から分かる。

どちらの第一条も「国民主権の理念にのっとり」という理由から書き起こされている。 そこから、情報の一層の公開を図ることと、「諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにする」ことが 導かれる形になっている。第三条が請求権者を「何人も」としているのも、 この目的規定が説明責任の全うを掲げていることと整合していると読める(条文がそう述べているわけではない)。

行政機関情報公開法の第一条だけが「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資すること」を 加えている点は、2 つの目的規定を並べると差として読み取れる。ただし、なぜこの差を置いたのかは どちらの条文にも書かれていない。