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電子署名及び認証業務に関する法律

第二条第一項が「電子署名」に求める要件は 2 つある。何と何か。

第一号が、その情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 第二号が、その情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。 条文は「次の要件のいずれにも該当するもの」としており、両方を満たす必要がある。

第三条は電磁的記録について何を定めているか。真正な成立を「証明する」と書かれているか。

推定である。第三条は、一定の要件を満たすときに当該電磁的記録が「真正に成立したものと推定する」と定める。 成立を確定させるのではなく、推定という効果を与える形になっている。

第三条の推定を受けるには、電子署名が行われていれば足りるか。条文はどんな限定を置いているか。

足りない。第三条は括弧書きで、その電子署名を「これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、 本人だけが行うことができることとなるものに限る」と限定している。 また、対象となる電磁的記録から公務員が職務上作成したものが除かれている。

電子署名及び認証業務に関する法律は「電子署名」を、その情報が措置を行った者の作成に係るものであることを示し、かつ改変の有無を確認できるという 2 要件を満たす措置と定義し、本人による電子署名が行われた電磁的記録は真正に成立したものと推定すると定める。

第二条第一項の要件と第三条の推定

条何を定めるか条文が置く要素
第二条第 1 項「電子署名」の定義電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であり、第一号(作成者を示すこと)と第二号(改変の有無を確認できること)のいずれにも該当するもの
第三条電磁的記録の真正な成立の推定対象は情報を表すために作成された電磁的記録(公務員が職務上作成したものを除く)
第三条括弧書き推定を受ける電子署名の限定必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る
第三条の効果与えられる法律効果真正に成立したものと推定する(証明ではない)

「電子署名」の定義(第二条第一項)

Section titled “「電子署名」の定義(第二条第一項)”

第二条第一項は「電子署名」を、電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であって、 次の要件のいずれにも該当するものと定義する。

  1. 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること
  2. 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること

第一号が作成者との結び付き、第二号が改変の検出にあたる。条文は「いずれにも該当するもの」としているため、 どちらか一方だけを満たす措置はこの法律の「電子署名」に当たらない。

定義が「措置」という語で書かれている点にも注意がいる。特定の技術や方式を名指ししておらず、 上の 2 要件を満たす措置であればこの定義に入る書き方になっている。

電磁的記録の真正な成立の推定(第三条)

Section titled “電磁的記録の真正な成立の推定(第三条)”

第三条は、情報を表すために作成された電磁的記録(公務員が職務上作成したものを除く)について、 そこに記録された情報に本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定すると定める。

この「本人による電子署名」には括弧書きの限定が付いている。「これを行うために必要な符号及び物件を 適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る」。 つまり、符号と物件の管理が適正であって、その結果として本人だけが行える状態に なっていることが条文上の条件になっている。

効果は「推定する」であり、成立を確定させるものではない。

第一条は、この法律が定める事項として「電子署名に関し、電磁的記録の真正な成立の推定、 特定認証業務に関する認定の制度その他必要な事項」を挙げ、それによって 「電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的方式による流通及び情報処理の促進を図り、 もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的とすると述べている。

目的規定が掲げているのは電子署名の利用そのものではなく、電子署名が円滑に利用されることを通じた 情報の流通と情報処理の促進である。第一条がこの法律の定める事項として「電磁的記録の真正な成立の推定」を 名指しで挙げ、第三条がその推定を置いていることは、目的規定と条文が対応した形になっていると読める。

また第二条第一項の定義が特定の技術を名指しせず 2 つの要件で書かれていることも、 「電子署名の円滑な利用の確保」という目的と矛盾しない。ただし、定義をこの形にした立法上の趣旨は 取得した条文(第一条・第二条・第三条)には書かれておらず、ここに述べたのは条文の書きぶりから 読み取れる範囲にとどまる。