インシデントの対応
シラバスはインシデントを何であると書いているか。3 つ挙げよ。3 つ目に注意せよ。
3 つが「又は」でつながれている。
- サービスに対する計画外の中断
- サービスの品質の低下
- 顧客又は利用者へのサービスに影響していない事象
3 つ目は「影響していない**」という否定形である。**
顧客又は利用者へのサービスに影響していない事象もインシデントに含まれる、と読める書き方だが、 シラバスがその理由を説明しているわけではない。
実施する事項を a)〜e) で答えよ。b) に付く条件は何か。
| 記号 | 逐語 |
|---|---|
| a) | 記録し,分類する。 |
| b) | 影響及び緊急度を考慮して,優先順位付けをする。 |
| c) | 必要であれば,エスカレーションする。 |
| d) | 解決する。 |
| e) | 終了する。 |
b) には「影響及び緊急度を考慮して」という 2 つの考慮事項が付く。 c) には「必要であれば」という条件が付く。
用語例のエスカレーションの括弧には何が入っているか。
機能的エスカレーション、階層的エスカレーションの 2 つである。
エスカレーション(機能的エスカレーション,階層的エスカレーション)
括弧は「など」「ほか」で閉じられていない。 両者がどう違うかは書かれていない。
シラバスはインシデントを、サービスに対する計画外の中断、サービスの品質の低下、又は顧客又は利用者へのサービスに影響していない事象のことであるとし、a) 記録し分類する、b) 影響及び緊急度を考慮して優先順位付けをする、c) 必要であればエスカレーションする、d) 解決する、e) 終了する、の 5 項目を実施することを理解するとしている。定義の 3 つ目が「影響していない事象」という否定形である点を読み落とさないことが要点である。用語例は 13 語で、エスカレーションの括弧に機能的と階層的の 2 つが挙げられている。
インシデントの定義(「又は」でつながれた 3 つ)
| 順 | 逐語 | 形 |
|---|---|---|
| 1 | サービスに対する計画外の中断 | 肯定 |
| 2 | サービスの品質の低下 | 肯定 |
| 3 | 顧客又は利用者へのサービスに影響していない事象 | 否定形 |
3 つ目が否定形である点を読み落とさない。 この表の「順」は定義に現れる順であって、重要度でも重大さの順でもない。
実施する 5 項目(シラバスの記法のまま)
| 記号 | 逐語 | 付く条件・考慮事項 |
|---|---|---|
| a) | 記録し,分類する。 | — |
| b) | 影響及び緊急度を考慮して,優先順位付けをする。 | 影響及び緊急度を考慮して |
| c) | 必要であれば,エスカレーションする。 | 必要であれば |
| d) | 解決する。 | — |
| e) | 終了する。 | — |
シラバスは a)〜e) の英小文字で番号を振っている。 この 5 項目が実行の順序であるとは書かれていない。
用語例 13 個(シラバスの並び順のまま)
| 順 | 用語例 | 括弧の中身 | a)〜e) にも現れるか |
|---|---|---|---|
| 1 | インシデント管理 | 無し | — |
| 2 | インシデント | 無し | — |
| 3 | 記録 | 無し | a) |
| 4 | 分類 | 無し | a) |
| 5 | 影響 | 無し | b) |
| 6 | 緊急度 | 無し | b) |
| 7 | 優先順位 | 無し | b)(「優先順位付け」) |
| 8 | 解決目標時間 | 無し | — |
| 9 | エスカレーション | 機能的エスカレーション,階層的エスカレーション | c) |
| 10 | 解決 | 無し | d) |
| 11 | 回避策 | 無し | — |
| 12 | 終了 | 無し | e) |
| 13 | インシデントモデル | 無し | — |
この表の「順」はシラバスの並び順であって、重要度でも扱う順でもない。 1 はこの細目が属する節(15)の名前と同じ語である。 小分類 02 の 25 細目のなかで、用語例が 13 語なのはこの細目と 2.(13)③ 構築及び移行 の 2 つで、 最多は 2.(17)問題管理 の 14 語である。 括弧が付くのは 9 番目だけである。
この細目でのシラバスの書き方
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 説明文 | 定義を含む一文+a)〜e) の箇条書き |
| 列挙に付くラベル | 用語例 |
| 用語例の数 | 13 |
| 節の中の位置 | (15)インシデント管理 の ①(② が続く) |
シラバスが書いていること
Section titled “シラバスが書いていること”説明文は一文で、その後に a)〜e) の箇条書きが 5 項目続く。
インシデントとは,サービスに対する計画外の中断,サービスの品質の低下,又は顧客又は 利用者へのサービスに影響していない事象のことであり,次の事項を実施することを理解する。
a) 記録し,分類する。 b) 影響及び緊急度を考慮して,優先順位付けをする。 c) 必要であれば,エスカレーションする。 d) 解決する。 e) 終了する。
続けて 13 個が列挙されている。
用語例 インシデント管理,インシデント,記録,分類,影響,緊急度,優先順位,解決目標時間, エスカレーション(機能的エスカレーション,階層的エスカレーション),解決,回避策,終了, インシデントモデル
説明文がインシデントの定義を含む
Section titled “説明文がインシデントの定義を含む”「インシデントとは,〜のことであり」という形で定義が置かれている。
説明文が定義を含むのは、このノートの根拠のなかで 3 つある — 1.(1)サービスマネジメント、1.(4)SLA、そしてこの細目。
定義は「又は」でつながれた 3 つ
Section titled “定義は「又は」でつながれた 3 つ”| 順 | 逐語 | 形 |
|---|---|---|
| 1 | サービスに対する計画外の中断 | 肯定 |
| 2 | サービスの品質の低下 | 肯定 |
| 3 | 顧客又は利用者へのサービスに影響していない事象 | 否定形 |
この表の「順」は定義に現れる順であって、重要度でも重大さの順でもない。
3 つ目が否定形である。
「顧客又は利用者へのサービスに影響していない事象」もインシデントに含まれる、と読める書き方である。 ただし、シラバスがその理由を説明しているわけではない。
このノートで、インシデントを「サービスが止まること」だけで書かない。 定義の 3 つ目を落とさない。
3 つ目には「又は」が 2 回現れる(「顧客又は利用者へのサービス」と、 3 つを並べる「又は」)。
a)〜e) の記法
Section titled “a)〜e) の記法”シラバスは英小文字+閉じ括弧(a) b) c) …)で番号を振っている。
この記法をとる細目は、小分類 02 に 3 つある。
| 細目 | 項目数 |
|---|---|
| 2.(15)①(この細目) | a)〜e)(5) |
| 2.(16)サービス要求管理 | a)〜d)(4) |
| 2.(17)問題管理 | a)〜e)(5) |
3 つは同じ記法だが、項目数も中身も違う。 (→ 下の「ほかの 2 細目との違い」)
なお、2.(12)③ 変更管理の活動 は中黒(・)の箇条書きで、記法が違う。
5 項目に付く条件
Section titled “5 項目に付く条件”| 記号 | 付いているもの |
|---|---|
| a) | 無し |
| b) | 影響及び緊急度を考慮して |
| c) | 必要であれば |
| d) | 無し |
| e) | 無し |
b) は考慮するものを 2 つ挙げている —「影響」と「緊急度」。
c) には「必要であれば」という条件が付く。 常にエスカレーションするとは書かれていない。
この 5 項目が実行の順序であるとは書かれていない。 このノートでは、5 つを矢印でつないだ流れ図を作らない。
ほかの 2 細目との違い
Section titled “ほかの 2 細目との違い”同じ a)〜e) の記法をとる 3 細目を並べると、違いが見える。
| 記号 | 2.(15)①(この細目) | 2.(16)サービス要求管理 | 2.(17)問題管理 |
|---|---|---|---|
| a) | 記録し,分類する。 | 記録し,分類する。 | 記録し,分類する。 |
| b) | 影響及び緊急度を考慮して,優先順位付けをする。 | 優先順位付けをする。 | 優先順位付けする。 |
| c) | 必要であれば,エスカレーションする。 | 実現する。 | 必要であれば,エスカレーションする。 |
| d) | 解決する。 | 終了する。 | 可能であれば,解決する。 |
| e) | 終了する。 | — | 終了する。 |
3 つを「同じ手順」として並べない。
- b) — この細目だけが「影響及び緊急度を考慮して」を持つ。2.(17)は「優先順位付けする」で「をする」が無い
- c) — 2.(16)は「実現する」で、エスカレーションが無い
- d) — 2.(17)は「可能であれば」という条件が付く
- 項目数 — 2.(16)だけが 4 項目
どれもシラバスの表記のままである。揃えない。
用語例 13 語 — 8 語が箇条書きにも現れる
Section titled “用語例 13 語 — 8 語が箇条書きにも現れる”13 語のうち 8 語が a)〜e) にも現れる — 記録(3)、分類(4)、影響(5)、緊急度(6)、優先順位(7。b) は「優先順位付け」)、 エスカレーション(9。c) は動詞形「エスカレーションする」)、解決(10)、終了(12)。
7 番目の「優先順位」は、b) では「優先順位付け」と「付け」が付く形である。 どちらもシラバスの表記のままである。
箇条書きに現れない語は 5 つ — インシデント管理(1)、インシデント(2)、 解決目標時間(8)、回避策(11)、インシデントモデル(13)。
エスカレーションの括弧
Section titled “エスカレーションの括弧”9 番目の括弧には 2 つが入っている。
| 順 | 括弧の中の語 |
|---|---|
| 1 | 機能的エスカレーション |
| 2 | 階層的エスカレーション |
この表の「順」は括弧の中の並び順であって、重要度ではない。
括弧は「など」「ほか」で閉じられていない。
両者がどう違うか、いつどちらを使うかは書かれていない。
「エスカレーション」という語は、同じ中分類の 2.(17)問題管理 の c) と用語例にも現れる。 ただし、そちらの用語例には括弧が付いていない。
| 細目 | 用語例 |
|---|---|
| 2.(15)①(この細目) | エスカレーション(機能的…,階層的…) |
| 2.(17)問題管理 | エスカレーション(括弧なし) |
どちらもシラバスの表記のままである。揃えない。
この細目で書かないこと
Section titled “この細目で書かないこと”次はいずれもこのノートの根拠に含まれていない。
- 「計画外の中断」「品質の低下」「影響していない事象」のそれぞれの例、違い
- なぜ「影響していない事象」もインシデントに含まれるのか
- 「機能的エスカレーション」と「階層的エスカレーション」の違い
- 「解決目標時間」をどう決めるか、どれくらいか
- 「回避策」と「解決」の違い
- 「インシデントモデル」が何を指すか
- a)〜e) が実行の順序かどうか
- 「終了する」とは何をすることか
名前から内容を推測して書くことは spec.md §8.1a に反する。
同じ節の ②(重大なインシデントの対応)の内容を、この細目に書かない。 別の細目である。