要求分析の手順
説明文は何を書いているか。
要求項目の洗い出し,分析,システム化ニーズの整理,前提条件や制約条件の整理,という手順を理解する。
これで全文である。49 字の一文。
この細目の説明文は、手順そのものを四つ並べている。
この 25 細目で文末が「という手順を理解する。」なのは、この細目だけである。
説明文が並べる四つは何か。
要求項目の洗い出し、分析、システム化ニーズの整理、前提条件や制約条件の整理 の四つである。
二つ目の「分析」は、一つ目の「要求項目の洗い出し」に続けて書かれている。 何を分析するのかは書かれていない。
四つの段階で具体的に何をするのか、成果物が何かも書かれていない。
用語例 7 語のうち括弧を持つのはどれか。
要求工学(Requirements Engineering) の 1 語だけである。
括弧の中は英語の展開だけで、日本語訳は付かない。 「要求工学」自体が日本語なので、訳を足す必要もない。
残る 6 語は括弧を持たない。
対になって見える語はどれか。
「現状指向型アプローチ」と「目的指向型アプローチ」である。5 語目と 6 語目に並ぶ。
「現状」と「目的」が入れ替わるだけで、あとは同じ形である。
シラバスは両者の違いも、どちらをいつ使うかも書いていない。 二つで全部だとも書いていない。
シラバスは要求項目の洗い出し、分析、システム化ニーズの整理、前提条件や制約条件の整理、という手順を理解するとしている。説明文が手順そのものを四つ並べており、この 25 細目で文末が「という手順を理解する。」なのはこの細目だけである。用語例は 7 語で、括弧を持つのは 要求工学(Requirements Engineering) の 1 語だけである。四つの段階で何をするのか、誰が行うのか、7 語が段階のどこで使われるのかは書かれていない。
説明文が並べる手順(説明文の並びのまま)
| 順 | 段階 |
|---|---|
| 1 | 要求項目の洗い出し |
| 2 | 分析 |
| 3 | システム化ニーズの整理 |
| 4 | 前提条件や制約条件の整理 |
この表の「順」は説明文が「という手順」として並べた順であって、 各段階の所要期間でも重要度でもない。 各段階で何をするのか、誰が行うのか、何ができあがるのかは書かれていない。 段階を戻ることがあるかどうかも書かれていない。
用語例 7 個(シラバスの並び順のまま)
| 順 | 用語例 | 括弧の中身 |
|---|---|---|
| 1 | ユーザーニーズ調査 | — |
| 2 | 現状分析 | — |
| 3 | 課題定義 | — |
| 4 | 要求仕様書 | — |
| 5 | 現状指向型アプローチ | — |
| 6 | 目的指向型アプローチ | — |
| 7 | 要求工学(Requirements Engineering) | 英語だけ |
この表の「順」はシラバスの並び順であって、重要度でも検討の順序でもない。 7 語のいずれについても、意味・使いどころ・ほかの語との関係は書かれていない。 7 語と上の四つの段階との対応も書かれていない。
この細目でのシラバスの書き方
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 説明文 | 一文(49 字) |
| 文末 | 「〜という手順を理解する。」(この 25 細目でここだけ) |
| 説明文の「など」 | 無し |
| 列挙に付くラベル | 用語例 |
| 用語例の数 | 7 |
| 括弧を持つ用語例 | 1 |
| [タスクの例] | 無し |
説明文の側に手順の中身が並べられている細目は、この 25 細目でここだけである。 1.(1)と 1.(2)も説明文に「目的,考え方,手順を理解する」と書くが、説明文に手順の中身は無い。両細目の [タスクの例] が手順の各段階であるとも書かれていない。 1.(3)③ 投資の意思決定法 も「考え方,手順を理解する」と書くが、中身は [タスクの例] にも用語例にも無い。 3.(2)⑤ 調達選定 は「選定の手順を確立し」と書き、手順を立てること自体を述べている。 2.(2)② 要件の定義 の用語例「業務処理手順」は語の一部として「手順」を含む。 細目名・説明文・用語例・[タスクの例]の 4 種すべてで「手順」を照合した結果である。
シラバスが書いていること
Section titled “シラバスが書いていること”説明文は一文である。
要求項目の洗い出し,分析,システム化ニーズの整理,前提条件や制約条件の整理,という手順を理解する。
続けて用語例が 7 語挙げられている。
ユーザーニーズ調査,現状分析,課題定義,要求仕様書,現状指向型アプローチ, 目的指向型アプローチ,要求工学(Requirements Engineering)
これがこの細目の根拠のすべてである。
説明文の側に手順がある
Section titled “説明文の側に手順がある”ほかの細目は「目的,考え方,手順を理解する」のように手順があることだけを述べるが、 この細目は「要求項目の洗い出し,分析,…,という手順を理解する」と、 手順の中身を説明文に書いている。
四つが読点で並び、最後に「という手順を理解する。」が付く形である。
二つ目の「分析」は 2 文字で、ほかの三つに比べて短い。 何を分析するかは書かれていない。
四つの段階が一度で終わるのか、繰り返すのかも書かれていない。
用語例は段階と対応づけられていない
Section titled “用語例は段階と対応づけられていない”用語例 7 語のうち、説明文の四つの段階のどれかと文字列全体が一致するものは無い。
「現状分析」は 2 語目にあり、説明文の「分析」と字が重なるが、 シラバスは両者を対応づけていない。
4 語目「要求仕様書」が何であり、どの段階で作るのかは書かれていない。
1 語目「ユーザーニーズ調査」の「ユーザー」は長音付きである。 この 25 細目に「ユーザ」と縮めた表記は無い。そろえ直さない。
7 語目 要求工学(Requirements Engineering) の括弧の中は英語の展開だけである。 日本語訳を足さない。
「現状指向型」と「目的指向型」が並ぶ
Section titled “「現状指向型」と「目的指向型」が並ぶ”5 語目と 6 語目は「現状指向型アプローチ」「目的指向型アプローチ」で、 「現状」と「目的」だけが入れ替わる。
シラバスは両者の違いを書いていない。 どちらが先か、どちらを選ぶべきかも書いていない。
アプローチがこの二つで尽きるとも書かれていない。
ここから「現状を見る方法と目的から考える方法の対比」を作ると、 それはこのノートの創作になる。
この細目で書かないこと
Section titled “この細目で書かないこと”次はいずれもこのノートの根拠に含まれていない。
- 四つの段階の実施方法、成果物、担当、期間
- 7 語それぞれの意味、作り方、使い分け
- 現状指向型アプローチと目的指向型アプローチの違い、選び方
- 要求工学の内容、体系、関連する規格
- 要求仕様書に何を書くか
- 2.(1)② 要求分析の手法 との前後関係(シラバスは ① と ② の順序を述べていない)
- 2.(2)① 要件定義の目的 以降との関係(要求分析のあとに要件定義が来るとは書かれていない)
名前から内容を推測して書くことは spec.md §8.1a に反する。