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商事に関して商法に定めが無い事項は、何をどの順で見ることになるか。

第一条第二項が順序を定めている。まず商慣習に従い、商慣習が無いときに民法による。 第一項は、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、商法の定めるところによるとしている。 第一項の除外に当たらない限り、商法 → 商慣習 → 民法の順になり、商慣習が民法より先に置かれている。

商人が他人のために行為をした場合の報酬について、商法と民法の条文はどう違うか。

商法第五百十二条は、商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは相当な報酬を請求することができる とする。一方、民法第六百四十八条第一項は、受任者は特約がなければ報酬を請求することができないとする。 無償か有償かの出発点が逆向きに置かれている。

商法は、商事については他の法律に特別の定めがあるものを除くほかこの法律により、この法律に定めが無い事項は商慣習に、商慣習が無いときは民法によると定め、商人を自己の名をもって商行為をすることを業とする者と規定する。商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは相当な報酬を請求でき、商人間の売買では、売主が不適合につき悪意であった場合を除き、買主が受領後に検査と通知をすることが権利行使の要件として置かれている。

  • 適用の順序(第一条)
    • 商法の定め(第一項。他の法律に特別の定めがあるものを除く)
    • 商慣習(第二項)
    • 民法(第二項。商慣習が無いとき)
  • 商行為を定める規定(第五百一条・第五百二条)
    • 絶対的商行為(第五百一条。営業としてするかどうかを条件にしていない)
      • 利益を得て譲渡する意思をもってする動産・不動産・有価証券の有償取得または その取得したものの譲渡を目的とする行為
      • 他人から取得する動産・有価証券の供給契約およびその履行のためにする有償取得
      • 取引所においてする取引
      • 手形その他の商業証券に関する行為
    • 営業的商行為(第五百二条。営業としてするときに商行為となる。ただし専ら賃金を得る目的で物を製造し、 又は労務に従事する者の行為を除く)
      • 賃貸する意思をもってする動産・不動産の有償取得や賃借、 またはその取得しもしくは賃借したものの賃貸を目的とする行為
      • 他人のためにする製造または加工に関する行為
      • 電気またはガスの供給、運送、作業または労務の請負
      • 出版・印刷・撮影、客の来集を目的とする場屋における取引、両替その他の銀行取引
      • 保険、寄託の引受け、仲立ちまたは取次ぎ、商行為の代理の引受け、信託の引受け
  • 商人(第四条)
    • 自己の名をもって商行為をすることを業とする者(第一項)
    • 店舗等の設備によって物品を販売することを業とする者、鉱業を営む者(第二項。商行為を行うことを 業としない者であっても商人とみなす)

商法・商慣習・民法の適用順序

Section titled “商法・商慣習・民法の適用順序”

第一条第一項は、商人の営業、商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、 この法律の定めるところによるとする。第二項は、商事に関しこの法律に定めが無い事項については 商慣習に従い、商慣習がないときは民法によると定める。

第一項が「他の法律に特別の定めがあるものを除くほか」商法によるとし、第二項が商法に定めが無い事項について 商慣習・民法の順を定めている。二つの項を合わせると、第一項の除外に当たらない限り 商法 → 商慣習 → 民法の順になる。

第四条第一項は「商人」を、自己の名をもって商行為をすることを業とする者と定義する。 第二項は、店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者、または鉱業を営む者は、 商行為を行うことを業としない者であっても商人とみなすとする。

ここで取り上げる商行為の規定は第五百一条と第五百二条である。第五百一条は「次に掲げる行為は、商行為とする」として 四つの行為を挙げ、営業としてするかどうかを条件にしていない。第五百二条は「次に掲げる行為は、 営業としてするときは、商行為とする」として十三の行為を挙げ、ただし書で 「専ら賃金を得る目的で物を製造し、又は労務に従事する者の行為」を除いている。 第五百二条第五号には「作業又は労務の請負」が、第二号には「他人のためにする製造又は加工に関する行為」が 含まれている。

第四条第一項の商人の定義は「商行為をすることを業とする者」であり、第五百一条・第五百二条は どの行為が商行為となるかを定めている。第四条の定義は、商行為を定める規定に依存する形になっている。

報酬請求権(第五百十二条)と買主の検査・通知(第五百二十六条)

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報酬請求権(第五百十二条) — 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、 相当な報酬を請求することができる。民法第六百四十八条第一項が「受任者は、特約がなければ、 委任者に対して報酬を請求することができない」としているのと、出発点が逆向きになっている。

買主による目的物の検査及び通知(第五百二十六条) — 第一項は、商人間の売買において買主は 目的物を受領したときは遅滞なく検査しなければならないとする。第二項は、その検査により種類・品質・数量に 関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に通知を発しなければ、 その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることが できないとする。直ちに発見できない種類・品質の不適合については、買主が六箇月以内に発見したときも同様である。 第三項は、売主が不適合につき悪意であった場合には第二項を適用しないとする。

民法第五百六十二条第一項は、契約不適合があったときに買主が履行の追完を請求できるとしている (同項にはただし書がある)。商法第五百二十六条第二項では、商人間の売買について 検査と通知が権利行使の要件として置かれている。

民法 との違い

観点商法(このノート)民法
報酬を請求できるかの出発点商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは相当な報酬を請求できる(第五百十二条)受任者は特約がなければ報酬を請求できない(第六百四十八条第一項)
契約不適合を理由とする請求の要件商人間の売買では受領後の検査と、不適合を発見したときの直ちの通知を要する(第五百二十六条第一項・第二項。売主が悪意であった場合は第三項により第二項を適用しない)不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものでないことを要する(第五百六十二条第二項)。第五百六十二条には検査と通知の文言が無い