著作権法
著作者が持つ権利は 2 系統に分かれる。何と何か。
著作者人格権と著作権。第十七条が、第十八条第一項・第十九条第一項・第二十条第一項に規定する権利を 「著作者人格権」、第二十一条から第二十八条までに規定する権利を「著作権」と呼ぶと定めている。
職務著作の要件は、プログラムとプログラム以外で 1 つ違う。どこが違うか。
公表の名義。プログラム以外は「その法人等が自己の著作の名義の下に公表するもの」であることが要件だが、 プログラムの著作物にはこの要件がない(第十五条第二項)。
著作権はいつ始まり、いつまで存続するか。
創作の時に始まり(第五十一条第一項)、別段の定めがある場合を除いて著作者の死後 70 年を 経過するまで存続する(同条第二項)。始まりは「創作の時」で、終わりの起算は「著作者の死後」。
著作権法は著作者に人格権と著作権の 2 系統を与え、著作権は創作の時に始まって著作者の死後 70 年まで存続し、プログラムの著作物には職務著作と同一性保持権の特則がある。
| 条文 | 定めていること |
|---|---|
| 第十条第一項第九号 | 第九号が「プログラムの著作物」 |
| 第十五条第一項 | 職務著作(プログラムを除く)。法人等の名義で公表するものは、別段の定めがなければ法人等が著作者 |
| 第十五条第二項 | 職務著作(プログラム)。公表の名義を要件とせず、別段の定めがなければ法人等が著作者 |
| 第十七条 | 著作者は「著作者人格権」と「著作権」を享有する |
| 第二十条第二項第三号 | 同一性保持権の例外。プログラムを実行できるようにする、より効果的に実行できるようにするための必要な改変 |
| 第五十一条第一項 | 著作権の存続期間は創作の時に始まる |
| 第五十一条第二項 | 別段の定めを除き、著作者の死後 70 年を経過するまで存続する |
権利の 2 系統
Section titled “権利の 2 系統”第十七条は「著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利 (以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利 (以下「著作権」という。)を享有する。」と定める。つまり同法における「著作権」は、 著作者人格権を含まない第二十一条から第二十八条までの権利を指す。
第五十一条第一項は「著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。」と定める。 第二項は「著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、 最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)七十年を経過するまでの間、存続する。」と定める。始まりが創作の時である一方、終わりは著作者の死を起点に数える。
プログラムの著作物に関する特則
Section titled “プログラムの著作物に関する特則”第十条第一項第九号が「プログラムの著作物」である。
職務著作について、第十五条第一項は「法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が 職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に 公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、 その法人等とする。」と定める。
同条第二項は「法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する プログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、 その法人等とする。」と定める。第一項と読み比べると、プログラムでは 「自己の著作の名義の下に公表するもの」という条件が置かれていないことが分かる。
同一性保持権についても特則がある。第二十条第二項第三号は 「特定の電子計算機においては実行し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において 実行し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に 実行し得るようにするために必要な改変」を、同一性保持権が及ばない場合として挙げている。
産業財産権法 との違い
| 観点 | 著作権法(このノート) | 産業財産権法 |
|---|---|---|
| 権利の発生 | 創作の時(手続き不要) | 特許権は設定の登録により発生する(特許法 第六十六条第一項。ほかの権利の発生は未取得) |
| 存続期間の起算 | 創作の時 | 出願の日(商標権だけ設定登録の日) |
前提